手当て


手を

当てる




書く。



手が空いてる時は
患者さんの背中さすってあげて。


そういえば
ポリクリの時カメラ飲んだ時も
後ろに手があるだけで
確かにかなり楽だった。
(時々右肩さすられるたりもしたけど背中の方が私はラクだった。)

内視鏡室の先生にそう言われてから
ポリクリの時のこと思い出して
内視鏡手伝いながら
手が空いてる時は
患者さんの背中にまわってさするようにしてる。

ちょうどその位置に立つと画面もよく見えるし
さすってたら
むしろ周りの方々が気を利かせて雑用してくれたりもするし
たださすってるだけで患者さんには感謝されるし
実はすごくオイシイ位置。

…ほんとにたださすってるだけで
実はあまり仕事をしてる気になれないから
申し訳なくもなる位置だけど。(苦笑)


やっぱり
さするっていうのは
気分的な部分も大きいだろうけど
初歩的な疼痛緩和になるみたい。

カメラの時後ろさすって下さったでしょ~
すごく嬉しくって。
今日は先生にどうしても有難うって言いたくて。

先生がさすってくれたから今回はあまり苦しくなかったぁ。
注射した場所が痛かった時も
さすってもらったら痛みがなくなったの。
ほんとに助かりました。

…造影剤注入の時のは実はさすったつもりはなくて
造影剤漏れたり腫れたり血腫できたりしてないか
ただ確かめてただけなのだけど。

そこはイマサラ言エナイ(゚-゚;)


NSAIDs潰瘍合併によるものと考えられる
胃静脈瘤破裂既往のある患者さんもってから

痛いからといって胃薬処方してるからといって
ロキソニンとかボルタレンとか使うのが怖い今日この頃。

そうか。
さすればいいのか。

指示簿にはとりあえず
疼痛時ペンタジン 1/2A なんて書いたけど
夜な夜な1内当直医のもとへ現れる
某ペンタジン中毒患者さんのようにしてしまったら
ほんとしゃれんならんし…

…さすってなんとかなるものならなんとかなって欲しいなぁ…

なんて。




患者さんのそばに居る時間が長くなると
自然といろんな家族を目の当たりにする

親子喧嘩に軽く巻き込まれたりなんかもする…

depression既往あり
両側人工股関節術後の痛みもあって
現在も眠剤なしでは眠れず
脊柱管狭窄症だかなんだかが原因で神経因性膀胱もあって
α遮断薬&抗コリンエステラーゼも内服中の患者さん


帰ったら眠剤は飲まんって約束したでしょ!

でも飲まんと眠れんのんじゃーね
先生も飲みなさいってゆーてじゃし。

飲まんでもそのまま我慢しなさい。
そうしとるうちに眠くなるから。
薬止めて、練習すれば眠れるんだから。

あの~…、、そういう方もいらっしゃるでしょうけれど
個人差というものもありますし
一見本人どうもなさそうでも
やっぱり眠れないっていうのは辛いと思うんですよー…、、、

先生がそうやって言うからまた、、
本人、先生の言うことしか聞かんのんだから。


こうして見れば
この息子さん、嫌なおじさんにしか見えないのだけど
このおうちにもそれなりに事情もあって。

詳しいことはよく聞けなかったけど
息子さんは東京暮らし
患者さんはこちらで独り暮らし
近隣で気にかけてくれる人もあまりおらず
ケアマネの人とかヘルパーさんがたまに来るだけ。

眠剤を飲めばふらついたりする
足腰弱ってるから余計に危ない

なのに
夜中どうしてもトイレに起きてしまう
ベッドのすぐ横にトイレを置いても
ほんの少し動いてそこに座るまでにこけるという。
こけて動けなくなるという。
一晩中動けないまま倒れていたこともあるとか。

すぐに来れない距離
家で独りにしておくだけでも心配なのに
そんな話があれば余計に心配なのだろう

眠剤を止めさせてくれ。
気持ちはよく分かるだけにこちらも強くは言えない

けど
だったら
独りにさせなきゃいいんじゃん
そこまで言うなら病院にまかせっきりでなくて何かしてよね
親戚近くにいるって話やん

大体
練習したら眠れるようになるはずだなんて
そんな言い方ないやんか

そんなことも思いつつ
つい私の口調もきつくなってたような。
というか、眠れないというこの辛そうな顔、
この人には見えてないのか?

つい苛立ってしまって
辛うじて残ってた理性で家族の気持ちも汲まなきゃと
言い争いにならないようになんとか自分抑えていたのでした。

その日は患者さんと喧嘩別れのまま息子さん帰宅。

ふと
気がつけば
寂しそうな顔してる患者さん。

どうせ息子には私なんて邪魔でしかないんですよ

そう言われると今度は
なんでこの人には
人前で怒ってまで心配してる息子さんの気持ちが分からないんだろう
いつも訴えばっか多くてほんとに…
ついまた苛立ったり。

あぁは言われてもやっぱり心配しとってんだと思うんですよ~
心配されてるからこそ
本気で怒られてるんじゃないかと思うんですけどね~、、
本当にどうでも良かったらほっとくんじゃないですかねぇ

こういう時、ポーカーフェイスで良かった

思う。

心中では明らかに2人共両方に対して苛立ってました。

でも
冷静に思えば
自分がそれぞれに説明した通り
息子さんは息子さんなりに患者さんのことを心配していて
患者さんは患者さんなりに辛い部分を抱えてる

いくら医師でも家庭の事情にまで立ち入れないことを思えば
自分ができることといえば医学的な介入くらい

かといって眠剤は今ちょうど精神科で量を調節してるとこだし
勝手にいじれない。
もしかしたら
自分で勝手にいじれないっていう苛立ちも
2人に向かってしまってたのかも
なんて反省しつつ。

眠剤を飲んでるのに
夜になるとトイレに行きたくなる

対処方法として考えたのは

そもそも寝てたらトイレ行かなくてすむはずじゃ?
→かといって増やしてもやっぱりトイレに行きたくなったら
 余計リスク高いし…。。

ていうか、全く一晩中動けなかったっていうのに今普通なのはなぜ?
時々本当のこと言ってるのか怪しかったりもするしなぁ…
→でもここまで訴えがあって疑うのもなぁ…

眠剤を飲んだら寝る時はオムツにしたら…?
→でもそれは本人に嫌がられたし

…トイレ?夜中になったらトイレ?
そーいや泌尿器から出てる薬…
もしかしてあれって飲む時間帯変えてOKかしら…

もう退院当日のことだったので
今更他科に紹介出せなかったけれど
息子さんが迎えに来た時
泌尿器の先生に薬の飲む時間とか相談してみて下さいと言ったら
なんだか嬉しそうに納得されて帰って行かれました。

あぁ
やっぱりなんだかんだ言っても
眠剤減らす以外の方法があるのなら眠剤飲ませてあげたいんだ
ちゃんと分かってはいるんだ

そう
思えたら
なんだか
ほっとしたり
つい苛立ってしまった自分が申し訳なくなったり。

迎えに来られた時連絡させてまでして
また同じ話になったらどうしようと思ってたけど
直接もう1度会うことができて良かった。



医療って
いろんな面があると思います。

技術的な向上も必要なら
知識面の補充も必要
でもそれだけでなくて
実際のいろんな事務処理能力も必要だったり
人と人とをつなぐコミュニケーション術も必要だったり。

なまものを相手にしてるんだなぁ

そんなことを思う今日この頃です。